チベット文化圏ってどういう意味?
「チベット」と聞くと神秘的なポタラ宮や高々と聳えるカイラス山などを思い浮かべるでしょう。現在、「チベット」と表記された場合、中華人民共和国にある省の一つ、「チベット自治区」を意味します。実際にポタラ宮やカイラス山もこのチベット自治区にあります。
しかし、チベット仏教を信仰したり、バター茶を飲みながら、放牧をして生活する「チベットの文化」を持った人々は、チベット自治区よりも更に大きなエリアに生活しています。
『チベット文化圏』とは、チベット自治区近隣省、インドやネパールの一部、ブータンなど、チベット高原を含めたその周辺エリアにまで及びます。

カイラス山
チベットは、大まかに3つの地方があります。
ウツァン地方:
チベット高原の南部、チベット自治区を含めたエリア
聖都ラサが位置する、いわゆる中央チベットと呼ばれる地域
アムド地方:
チベット高原東北部の青海省、甘粛省南部、四川省北部を含めたエリア
カム地方:
チベット自治区東部、青海省南部、四川省西部、雲南省北西部を含めたエリア
また、ネパール北部の山岳地帯にも、チベットの文化を持った人々が生活し、ブータンやインド、ネパールなどのヒマラヤ地域にもチベット系民族の歴史と文化が多く残っています。ヒマラヤの山岳ガイドとして有名なシェルパもチベット系の民族です。

チベットへ行くには?
一概に「チベットに行く」と言っても、ラサが位置するチベット自治区と、その他のチベット文化圏のエリアでは入境事情が違います。基本的には、チベット自治区以外の地域に行く場合、特別な手続きは必要ありません。チベットを体験するには、閉ざされた地域へ面倒な手続きをしなければ、行くことができないと思われがちですが、チベット文化圏である青海省や甘粛省南部、四川省西部には比較的簡単に行くことができ、アムドやカムなどの様々なチベット文化の中を旅することができます。
黄河源流の雄大な自然
チベット自治区に行くには?
ポタラ宮殿やチョモランマがあるチベット自治区は、中国の他の地域と異なり、自由に入境することはできません。中国で滞在するためのビザに加えて、事前に申請して入域許可証【パミット】を取得することが必要です。この申請は、個人ではすることはできないので、必ず旅行会社に依頼して手続きを行うことになります。なお、入域許可証の申請から取得までには、通常3週間以上かかりますので、余裕をもってお申込みください。
チベットの聖都ラサに行くには、主に4つのルートがあります。
① 四川省成都 → ラサ
② 青海省西寧 → ゴルムド → ラサ
③ カトマンドゥ → ラサ
④ カトマンドゥ → ダム → ラサ
一般的には、空路で ①四川省成都から、または、鉄道で ②青海省西寧から行くことになります。

ポタラ宮へ